色彩検定 合格者の声

アニメ雑誌を作る上で色の知識が役立ちます

アニメ雑誌を作る上で色の知識が役立ちます

仕事に活かす

徳間書店 アニメージュ編集部

久保田 志乃さん (3級合格)

Voice

色彩理論は奥深い!

私はアニメ専門誌「アニメージュ」の編集部員として働いています。色彩検定協会さんのご協力の元、2020年1月号から約1年間、アニメージュ誌上で「配色センスを磨け! 色彩検定合格への道」という連載を担当しておりました。

おもに中高生のアニメファンに向けて、色彩検定とは何なのか知っていただくための連載でした。そのため、滑り出しはライトな感覚でいたのですが、実際に勉強していくと、色彩理論のなんと幅広く奥深いことか。コロナ禍で2020年度夏期検定が中止になり、冬期検定に持ち越しになったため、結果1年近くかけて繰り返し頭に入れることができました。

PCCSの色相環とトーンの概念図が脳内にあると、デザインがスムーズになる

色彩検定が普段の仕事にどう生かされているかですが……やはり色の引き出しが増えたのは大きいですね。アニメ雑誌のページ作りにセオリーはありません。決められたフォーマットがないため、記事に応じて、都度都度デザインを考えることになります。
しかしアニメ作品のイラストや場面カットは、基本的にカラフルです。文字色などを派手にしすぎると、絵とケンカしてガチャガチャしてしまいます。かといって地味にしすぎると、作品のテイストに合わなかったり……。アニメージュ編集歴15年目の私も、いまだに毎回頭を悩ませています。

そういう時に、PCCSの色相環とトーンの概念図が脳内にあると、スムーズになることが多いです。編集者はいわばその記事を取りまとめるリーダーです。船頭の目指す方向がはっきりすれば、各所とのイメージも共有でき、それぞれの力も発揮してもらえます。

ちなみに「明るく」と「鮮やかに」って、意外と混同している人も多いようです。明度を上げるのか彩度を上げるのかって全然違いますよね。あとは、色相をどこに寄せるのか。ページ全体のベースカラーやアソートカラー、アクセントカラーをどうするのか。色彩検定のおかげで、デザイナーや印刷所とも話し合いがしやすくなった気がします。

連載は、アニメージュ2021年4月号から再開します。「色彩検定合格への道 はと先輩の 私はこうして合格した!」です。この中で、2020年度冬期試験を振り返り、色の知識をさらに深めたいと思います。